耳鼻咽喉科が対象とするものは、みなさんが想像している以上に広い範囲にわたっています。

 耳鼻咽喉科は、耳、鼻、咽頭(のど)、喉頭(発声する器官)疾患の他に咽頭に接する口腔や食道、また喉頭に続く気管、気管支も対象としています。他方喉頭を主器官として表現される音声、言語も医学の一分野として重要です。さらに頸部(首)に発声する疾患(頸部腫瘤など)も対象となります。そのゆえに耳鼻咽喉科、気管・食道科・頭頸部外科という言い方もできます。

 耳鼻咽喉科は、聴覚、平衡覚(めまい)、嗅覚(におい)、味覚という、重要な感覚器を取り扱っています。したがって聴覚検査、平衡機能検査、味覚・嗅覚検査は耳鼻咽喉科に特有な検査です。

耳鼻咽喉科は、取り扱う疾患によって小児科、脳神経外科、神経内科、眼科、口腔外科、形成外科、呼吸器科及び消化器科などと深い関わりをもっています。本来、医療は各診療科の個性を活かした専門能力を結集してこそ成り立つものと考えます。このことから、耳鼻咽喉科医として特に耳、鼻、咽頭、喉頭のスペシャリストとしてのプライドをもって日々診療にあたっております。